借家人賠償責任保険って必要なの?個人賠償責任との違いも解説

住まいのトラブルはいつ巻き込まれるかわかりません。

賃貸住宅で突然の火災や水漏れ、その他の予測不能な事態に備えるためには、「借家人賠償」を付帯するのがおすすめです。

このブログでは、損保事務員が借家人賠償の重要性や保険がどのような状況で役立つのかを具体例をもとに紹介します。

間違いやすい個人賠償責任保険との違いについても解説するので、賃貸にお住まいの方はぜひ参考にしてください。

借家人賠償とは?

借家人賠償とは、賃貸住宅の入居者が自身の過失によって建物や他人に損害を与えた場合、その損害賠償の責任を負う制度です。

大家さんから借りている建物に損害を与えてしまった場合、入居時のように元通りにしなければなりません。

なぜなら、入居者は借りている物件を引っ越しなどで退去する場合、原状回復する義務があるからです。

以下のように、原状回復義務に関する規定が定められています。

第15条 乙は、通常の使用に伴い生じた本物件の損耗及び本物件の経年変化を除き、本物件を原状回復しなければならない。ただし、乙の責めに帰することができない事由により生じたものについては、原状回復を要しない

引用:国土交通省「賃貸住宅標準契約書」

ただし、借家人賠償責任補償は「火災、破裂・爆発」または「水ぬれ」による偶発的な事故以外は補償の対象外となります。

放火はもちろん、子どもがいたずらで壁紙を破ったなど故意に起こした事故などは補償されないので注意してください。

家財保険だけに加入していた場合、火災のような自然災害などで損害を受けた際の自分の持ち物に対する補償は受けられます。

しかし、大家さんの財産である賃貸物件に対しての補償は一切受けられません。

賃貸にお住まいの方は、家財保険だけでなく借家人賠償も忘れずに付帯しましょう。

借家人賠償保険の適用ケース

借家人賠償保険の適用ケースを2つ紹介します。

ケース1. タバコの火の不始末による損害

タバコの火の不始末でボヤが起きて、借りている部屋の一部が燃えてしまった場合は借家人賠償責任補償の対象です。

ボヤによる煙や消火のための放水によって損害を出してしまった場合、修理にはかなりの費用がかかると予想されます。

もしもの時に備えて借家人賠償は付帯しましょう。

ケース2. 水漏れや浸水による損害

自分が借りている住居で水漏れや浸水の問題に直面した場合も、借家人賠償保険の適用が適用されます。

ちなみに…「水濡れ」と「水災」では補償内容が違います。

「水濡れ」とは水道管や排水管、トイレの水洗用設備、貯水タンクや給湯ボイラー、スプリンクラーなどの給排水設備のトラブルにより、水濡れが発生することです。

一方で「水災」台風や豪雨などが原因で床上浸水が発生し、壁や床に損害が発生することを指します。

借家人賠償保険と個人賠償保険の違いとは

個人賠償保険は、個人が第三者に対して責任を負う場合に関連します。

例えばあなたが散歩中に他の人にぶつかり、その人が怪我をした場合、個人賠償保険がその損害賠償を補償可能です。

つまり、賃貸住宅だけでなく、日常のさまざまな状況において有用といえます。

個人賠償保険は、火災保険だけでなく自動車保険やクレジットカードに自動付帯されている場合も多いですね。

賃貸の場合、洗濯機のホースが何らかの原因で外れてしまい、水漏れが発生し下の階の人に損害を与える事故は、個人賠償責任保険でカバーできます。

一方、借家人賠償保険は、賃貸住宅に住んでいる際に発生する損害やトラブルに焦点を当てています。

賃借人が自身の過失によって賃貸物件に損害を与えた場合、借家人賠償保険がその損害賠償を補償します。

要するに、「他人に対する補償」は個人賠償責任保険、「大家さんから借りているものへの補償」は借家人賠償責任保険でカバーできると覚えておいてください。

どちらも予測不能な事態に備えるための重要な保険といえます!

借家人賠償責任保険を理解し賢く活用しよう

賃貸住宅にお住まいの方は、借家人賠償保険の存在は見逃せません。

予測不能な災害や事故に備えるのは住人としての責任です。

保険を通じて自己の責務を果たし、コミュニティ全体の安全を確保する一環として、借家人賠償で適切に備えましょう。

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